冬のアンダーウェア・ベースレイヤー

冬に大活躍するのが、ベースレイヤー(いわゆる肌着)だ。
以前は『ももひき』『ババシャツ』として“ダサい”対象だったアンダーウェア(下着)も、現在はイメージも一新されて市民権を得ている。

ファストファッションロゴ画像
某有名ファストファッションのヒート○ッ○

「寒くない?」
「ヒート○ッ○着てるから大丈夫だし!」
みたいな会話がメジャーになったのだから、肌着も“ナウい”になったものだ。

1、21世紀のハイテク下着

21世紀を境にして、ミクロ単位の素材開発が劇的に進化した。
その恩恵はアパレルにも波及し、アウトドアウェアにも、もちろんベースレイヤーにも影響を与えた。ポーラテック、デュポン(インビスタ)、東レ、schoeller、などの先端素材を扱うメーカーがリードし、業界に新しい波を送っている。

素材メーカーロゴ
ハイテク素材メーカー

ハッキリ言って、現在のベースレイヤーのレベルはモノスゴイ!
汗をグングン吸って、肌を不快にさせず、速攻で乾かすなんてほんの序の口レベル。
必要に応じて機能を付加させるハイテクぶりだ。

電子顕微鏡画像
目に見えないミクロの世界に秘密がある

髪の毛よりも細い糸に、さらに微細な糸を巻き付けて、強度と吸水性を両立させたり、繊維の中にポリマーを織り込んで温度調節の役割りを担わせたりなど、新しい機能が続々と生み出されている。

通常よりもはるかに高倍率の電子顕微鏡で覗く世界では、ハイテク素材の躍進に次ぐ躍進を観察することができる。

2、自然素材のベースレイヤー

進化の階段を2弾飛ばしで進むハイテクベースレイヤーの世界だが、自然素材のナチュラルベースレイヤーも対抗馬として注目されている。

自然素材のベースレイヤーの主役は、なんといってもメリノウールだ。
ニュージーランド(代表)で採れたメリノウールの毛を選別し、製品化される逸品だ。

羊画像
繊維が細くて柔らかいメリノ羊

繊維の細いメリノウールをさらに選別(メーカーのよっては加工)しているので、ウール特有のチクチク感はない。だから、下着(ベースレイヤー)にするとウールの長所をこれでもかと発揮することができるのだ。

暖かく、吸湿性が高く、ある程度の濡れでも保温性を維持し、防臭効果が高い。
肌触りがマイルドで、適度にうるおいを与えてくれる着心地も見逃せない。
そして意外と速乾性だってわるくない。

これらの特性が、アウトドアマンに愛されている。
驚きの機能の数々は、アイスブレーカー公式サイトのFAQをぜひ見てほしい。

滝のような汗をかく猛暑の最中では、化繊素材のハイテクベースレイヤーに迷いなく軍配が上がるが、ストップ&ゴーの続く山行・縦走では、マイルドな肌触りのメリノウールが最適解である場合が少なくない。

限られた荷物で着たきり雀で旅するバックパッカーにとっては、とくに防臭性は評価に値する。防臭効果が高いので代えの衣類を減らすことができる、メリノウールならではのメリットなのである。

3、適材適所

どちらが上かではなく、化繊のハイテクベースレイヤーと、自然素材のベースレイヤー、目的と用途に合わせて使い分ければいい。
私はメリノウール教の信者だが、夏場は化繊&メリノのハイブリッドを着ている。

いろいろと前置きが長くなった。
ベースレイヤーは、アイスブレーカー(Icebreaker)のものを使っている。
エバニュー時代(代理店)はいかにもスポーツ用という感じで、色使いやデザインはハッキリ言って一昔前のスノーウェアみたいでイケてなかった。

カッティングに工夫が凝らしてあり、サムホール(親指を入れて一体感を高める穴)があり、機能的な一着ではあったが、普段着としてはいまいちパッとしなかった。

アイスブレーカーロゴ画像

代理店がゴールドウィンになってからは、普段着でも違和感なく取り入れられる普遍的なデザインに変わった。本国のデザインチームが一新されたのか、ゴールドウィンからの要望があったのかは定かではないが(ラインナップを見る限り前者)、理由はともかく普段着にも応用範囲が広がったことは喜ばしいことだ。

クローゼットクロージングが所有するモデル(Deice LS Crewe/ディアイス ロングスリーブ クルー)は、サムホール(親指を入れて一体感を高める穴)もないし、生地の切り替えもないので、本格的でシビアな登山では選ばれにくいモデルなのかもしれない。

久しぶりに新調したアイスブレーカーを着てみて驚きの声を上げたのは、なにもデザインだけではない。ウール100%の生地にも関わらず、伸縮性が以前と比べられないぐらい増しているのだ。

260ウエイトという厚みのある生地にも関わらず、身体の動きに応じてしっかり伸びてくれる。もちろん伸びっ放しではなく、元のサイズにちゃんと縮んでくれる。まさに快適そのものだ。メリノウールのベースレイヤーにも進化の福音がもたらされていたのだと、感嘆が漏れた。

4、メリノウールはオススメ

とまあ、多少おおげさだけど、メリノウールのベースレイヤーの上下を持っていると、冬場には欠かせない一着になること請け合いだ。
アウトドアから普段着、寝間着に、所構わずほんとうに肌身離せない存在になるはずだ。

メリノウールのベースレイヤーは高価なのがたまに傷だが(一着5千円~2万円ほどする)、ネットショップのセール・アウトドアショップの在庫セールを狙えば半額も夢じゃない。

日本で手に入りやすいのは、上記したアイスブレーカーの他に、スマートウール(smartwool)やアイベックス(ibex)、モンベル(mont-bell)。これらのブランドの入手性がいい。
ロシアや北欧にも優れたブランドがあるので(ACLIMA、CRAFT、Johaなどなど)、「メリノウール ベースレイヤー 北欧」などのキーワードを駆使して、お気に入りの一着を探してみて欲しい。

ディアイス ロングスリーブ クルー メンズ ME IT61476 中国製 定価¥12,500円
―2018-12-17―

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https://i0.wp.com/yasashii.wp.xdomain.jp/wp-content/uploads/2018/12/Icebreaker15.jpg?fit=300%2C225https://i0.wp.com/yasashii.wp.xdomain.jp/wp-content/uploads/2018/12/Icebreaker15.jpg?resize=150%2C150asdaj1278衣類衣類冬のアンダーウェア・ベースレイヤー 冬に大活躍するのが、ベースレイヤー(いわゆる肌着)だ。 以前は『ももひき』『ババシャツ』として“ダサい”対象だったアンダーウェア(下着)も、現在はイメージも一新されて市民権を得ている。 「寒くない?」 「ヒート○ッ○着てるから大丈夫だし!」 みたいな会話がメジャーになったのだから、肌着も“ナウい”になったものだ。 1、21世紀のハイテク下着 21世紀を境にして、ミクロ単位の素材開発が劇的に進化した。 その恩恵はアパレルにも波及し、アウトドアウェアにも、もちろんベースレイヤーにも影響を与えた。ポーラテック、デュポン(インビスタ)、東レ、schoeller、などの先端素材を扱うメーカーがリードし、業界に新しい波を送っている。 ハッキリ言って、現在のベースレイヤーのレベルはモノスゴイ! 汗をグングン吸って、肌を不快にさせず、速攻で乾かすなんてほんの序の口レベル。 必要に応じて機能を付加させるハイテクぶりだ。 髪の毛よりも細い糸に、さらに微細な糸を巻き付けて、強度と吸水性を両立させたり、繊維の中にポリマーを織り込んで温度調節の役割りを担わせたりなど、新しい機能が続々と生み出されている。 通常よりもはるかに高倍率の電子顕微鏡で覗く世界では、ハイテク素材の躍進に次ぐ躍進を観察することができる。 2、自然素材のベースレイヤー 進化の階段を2弾飛ばしで進むハイテクベースレイヤーの世界だが、自然素材のナチュラルベースレイヤーも対抗馬として注目されている。 自然素材のベースレイヤーの主役は、なんといってもメリノウールだ。 ニュージーランド(代表)で採れたメリノウールの毛を選別し、製品化される逸品だ。 繊維の細いメリノウールをさらに選別(メーカーのよっては加工)しているので、ウール特有のチクチク感はない。だから、下着(ベースレイヤー)にするとウールの長所をこれでもかと発揮することができるのだ。 暖かく、吸湿性が高く、ある程度の濡れでも保温性を維持し、防臭効果が高い。 肌触りがマイルドで、適度にうるおいを与えてくれる着心地も見逃せない。 そして意外と速乾性だってわるくない。 これらの特性が、アウトドアマンに愛されている。 驚きの機能の数々は、アイスブレーカー公式サイトのFAQをぜひ見てほしい。 滝のような汗をかく猛暑の最中では、化繊素材のハイテクベースレイヤーに迷いなく軍配が上がるが、ストップ&ゴーの続く山行・縦走では、マイルドな肌触りのメリノウールが最適解である場合が少なくない。 限られた荷物で着たきり雀で旅するバックパッカーにとっては、とくに防臭性は評価に値する。防臭効果が高いので代えの衣類を減らすことができる、メリノウールならではのメリットなのである。 3、適材適所 どちらが上かではなく、化繊のハイテクベースレイヤーと、自然素材のベースレイヤー、目的と用途に合わせて使い分ければいい。 私はメリノウール教の信者だが、夏場は化繊&メリノのハイブリッドを着ている。 いろいろと前置きが長くなった。 ベースレイヤーは、アイスブレーカー(Icebreaker)のものを使っている。 エバニュー時代(代理店)はいかにもスポーツ用という感じで、色使いやデザインはハッキリ言って一昔前のスノーウェアみたいでイケてなかった。 カッティングに工夫が凝らしてあり、サムホール(親指を入れて一体感を高める穴)があり、機能的な一着ではあったが、普段着としてはいまいちパッとしなかった。 代理店がゴールドウィンになってからは、普段着でも違和感なく取り入れられる普遍的なデザインに変わった。本国のデザインチームが一新されたのか、ゴールドウィンからの要望があったのかは定かではないが(ラインナップを見る限り前者)、理由はともかく普段着にも応用範囲が広がったことは喜ばしいことだ。 クローゼットクロージングが所有するモデル(Deice LS Crewe/ディアイス ロングスリーブ クルー)は、サムホール(親指を入れて一体感を高める穴)もないし、生地の切り替えもないので、本格的でシビアな登山では選ばれにくいモデルなのかもしれない。 久しぶりに新調したアイスブレーカーを着てみて驚きの声を上げたのは、なにもデザインだけではない。ウール100%の生地にも関わらず、伸縮性が以前と比べられないぐらい増しているのだ。 260ウエイトという厚みのある生地にも関わらず、身体の動きに応じてしっかり伸びてくれる。もちろん伸びっ放しではなく、元のサイズにちゃんと縮んでくれる。まさに快適そのものだ。メリノウールのベースレイヤーにも進化の福音がもたらされていたのだと、感嘆が漏れた。 4、メリノウールはオススメ とまあ、多少おおげさだけど、メリノウールのベースレイヤーの上下を持っていると、冬場には欠かせない一着になること請け合いだ。 アウトドアから普段着、寝間着に、所構わずほんとうに肌身離せない存在になるはずだ。 メリノウールのベースレイヤーは高価なのがたまに傷だが(一着5千円~2万円ほどする)、ネットショップのセール・アウトドアショップの在庫セールを狙えば半額も夢じゃない。 日本で手に入りやすいのは、上記したアイスブレーカーの他に、スマートウール(smartwool)やアイベックス(ibex)、モンベル(mont-bell)。これらのブランドの入手性がいい。 ロシアや北欧にも優れたブランドがあるので(ACLIMA、CRAFT、Johaなどなど)、「メリノウール ベースレイヤー 北欧」などのキーワードを駆使して、お気に入りの一着を探してみて欲しい。 ディアイス ロングスリーブ クルー メンズ ME IT61476 中国製 定価¥12,500円―2018-12-17―クローゼットの中を私物を研究してゆくブログです