『アルパカはウールの8倍暖かい?』

アルパカはウールの8倍暖かいという。
真相はともかくとして、ニット好きの一人としては、黙ってはいられない話だ。
その根拠にまつわるエトセトラを調べてみたくなった。

1、アルパカについて

アルパカ画像
『ちょっとWiki:アルパカ』

アルパカ。南アメリカ大陸原産の、ラクダ科の草食動物だ。
つぶらな瞳と、愛嬌のある容姿で人気がある。
体毛は上質なことで知られ、家畜として飼育されている。

標高3500~5000mという高地に住み、夏の日中は40℃、厳冬期はマイナス20℃になる過酷な気候下で暮らしている。

森林限界を超える高原のために、大きな木は見当たらない。緑といえば、ごつごつした岩場にまばらに生えている草ぐらいだ。アルパカはその岩場に生えた草や苔を好んで食べるという。

2、アンデスのアルパカ君

アンデス画像
アンデス山脈は過酷な環境

遮るものがない強い日差しと強い風。
荒涼とした風景が広がる中でアルパカは暮らしている。

アンデスの高原は過酷な環境だ。
高地なので酸素も薄く、一日の寒暖差が大きいという。

アンデスで生き抜くためには、タフでなければいけない。
愛嬌たっぷりのアルパカ君だが、とても強い生き物なのだ。

3、アルパカの毛について

アルパカのニット画像
ゆるく織ってあるがとても暖かい

アルパカの毛は、ウールやカシミヤと比べて、直毛性なのだという。
毛の直径は20~30microである。カシミヤは15micro前後、メリノウールは18micro前後とのことなので、アルパカの方が2倍弱ほど繊維が太いことになる。

一般的に、獣毛は細ければ細いほど上質だといわれる。
そして、20micro以上の太さになると、くすぐったさやチクチク感を覚えるという。
しかし、アルパカの場合、さらりとドライな触感を持ち、肌を刺すような不快感はない。

スケール(ウロコ)

これは、アルパカのスケール(毛の表面のうろこ状の外皮)が少ないことと、直毛のために肌への当たりがマイルドに感じられることが要因だと推測できる。

画像出典:一般社団法人ケケン試験認証センター

ウールよりも暖かく感じられるのは、直毛性によって、内部に蓄えられる空気の量が多いことが考えられる。
また、エアリーでドライタッチに感じられる理由は、アルパカの体毛のスケール(うろこ状の外皮)が少なく、突起の凹凸が小さいことが起因しているのではないだろうか。表面がゴツゴツしていれば、micro単位(1ミリの1/1000)の繊維でも、人間の皮膚は敏感に違和感を覚えるようだ。

4、8倍の真相は・・・

ウールよりも8倍暖かいという根拠は、結局見つからなかった。
しかし、肌触りと保温性に優れ、しかもたいへん丈夫だということを知ることができた。

アルパカの体毛の精密さは、過酷な環境に適応するため進化してきた賜物なのだ。ということを忘れてはならない。天然の恩恵物の偉大さ、繊維の中に秘められた魔法を、ニットウェアとして利用させてもらっているのだということに感謝したい。

5、アルパカを買う時の注意点

どうやらアルパカのランクは、ウール以上に品質にバラつきがあるようだ。
粗悪なものはチクチクしたり、毛が脆くて切れやすい。
触った時にゴツゴツするものを避け、ぜひ、試着してから購入して欲しい。

まとめ・アルパカの長所

  • 軽くて暖かい
  • とても丈夫な繊維
  • 毛玉ができにくい

意外なアルパカ活用法 マクラにもアルパカ?

あくまで個人的な体感だが、同じ厚みならば、ウールよりもカシミヤよりも、アルパカは暖かく感じる。
軽くて、エアリー。肌触りもやさしい。カシミヤのヌメヌメ感とも違う、さらりとしたドライな感触でポカポカ暖かい。
冬になるとマクラにアルパカのストールを巻いて寝ているが、首元の冷え感がかなり軽減される。マクラにアルパカのストール。アルパカのストールを持っている人はぜひ試してみて欲しいトリビアなのだ。

Glen Prince 無名メーカー ストール スコットランド製 ?製 価格どちらも5000円以下
―2018-12-13―

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https://i2.wp.com/yasashii.wp.xdomain.jp/wp-content/uploads/2018/12/alpaca20.jpg?fit=640%2C511https://i2.wp.com/yasashii.wp.xdomain.jp/wp-content/uploads/2018/12/alpaca20.jpg?resize=150%2C150asdaj1278小物小物『アルパカはウールの8倍暖かい?』 アルパカはウールの8倍暖かいという。 真相はともかくとして、ニット好きの一人としては、黙ってはいられない話だ。 その根拠にまつわるエトセトラを調べてみたくなった。 1、アルパカについて アルパカ。南アメリカ大陸原産の、ラクダ科の草食動物だ。 つぶらな瞳と、愛嬌のある容姿で人気がある。 体毛は上質なことで知られ、家畜として飼育されている。 標高3500~5000mという高地に住み、夏の日中は40℃、厳冬期はマイナス20℃になる過酷な気候下で暮らしている。 森林限界を超える高原のために、大きな木は見当たらない。緑といえば、ごつごつした岩場にまばらに生えている草ぐらいだ。アルパカはその岩場に生えた草や苔を好んで食べるという。 2、アンデスのアルパカ君 遮るものがない強い日差しと強い風。 荒涼とした風景が広がる中でアルパカは暮らしている。 アンデスの高原は過酷な環境だ。 高地なので酸素も薄く、一日の寒暖差が大きいという。 アンデスで生き抜くためには、タフでなければいけない。 愛嬌たっぷりのアルパカ君だが、とても強い生き物なのだ。 3、アルパカの毛について アルパカの毛は、ウールやカシミヤと比べて、直毛性なのだという。 毛の直径は20~30microである。カシミヤは15micro前後、メリノウールは18micro前後とのことなので、アルパカの方が2倍弱ほど繊維が太いことになる。 一般的に、獣毛は細ければ細いほど上質だといわれる。 そして、20micro以上の太さになると、くすぐったさやチクチク感を覚えるという。 しかし、アルパカの場合、さらりとドライな触感を持ち、肌を刺すような不快感はない。 スケール(ウロコ) これは、アルパカのスケール(毛の表面のうろこ状の外皮)が少ないことと、直毛のために肌への当たりがマイルドに感じられることが要因だと推測できる。 画像出典:一般社団法人ケケン試験認証センター ウールよりも暖かく感じられるのは、直毛性によって、内部に蓄えられる空気の量が多いことが考えられる。 また、エアリーでドライタッチに感じられる理由は、アルパカの体毛のスケール(うろこ状の外皮)が少なく、突起の凹凸が小さいことが起因しているのではないだろうか。表面がゴツゴツしていれば、micro単位(1ミリの1/1000)の繊維でも、人間の皮膚は敏感に違和感を覚えるようだ。 4、8倍の真相は・・・ ウールよりも8倍暖かいという根拠は、結局見つからなかった。 しかし、肌触りと保温性に優れ、しかもたいへん丈夫だということを知ることができた。 アルパカの体毛の精密さは、過酷な環境に適応するため進化してきた賜物なのだ。ということを忘れてはならない。天然の恩恵物の偉大さ、繊維の中に秘められた魔法を、ニットウェアとして利用させてもらっているのだということに感謝したい。 5、アルパカを買う時の注意点 どうやらアルパカのランクは、ウール以上に品質にバラつきがあるようだ。 粗悪なものはチクチクしたり、毛が脆くて切れやすい。 触った時にゴツゴツするものを避け、ぜひ、試着してから購入して欲しい。 まとめ・アルパカの長所 軽くて暖かい とても丈夫な繊維 毛玉ができにくい 意外なアルパカ活用法 マクラにもアルパカ? あくまで個人的な体感だが、同じ厚みならば、ウールよりもカシミヤよりも、アルパカは暖かく感じる。 軽くて、エアリー。肌触りもやさしい。カシミヤのヌメヌメ感とも違う、さらりとしたドライな感触でポカポカ暖かい。 冬になるとマクラにアルパカのストールを巻いて寝ているが、首元の冷え感がかなり軽減される。マクラにアルパカのストール。アルパカのストールを持っている人はぜひ試してみて欲しいトリビアなのだ。 Glen Prince 無名メーカー ストール スコットランド製 ?製 価格どちらも5000円以下―2018-12-13―クローゼットの中を私物を研究してゆくブログです