~ペインターパンツ~

OshKosh画像
アメ横に行くとフラッシャー付きのデッドストックが無造作に積まれていた。

渋カジやアメカジの流れでペインターパンツが流行し、ブームが去って沈静化した90年代半ばの話である。

世はビンテージブーム、裏原ブランドブームで、ペインターパンツは時代遅れのアイテムになっていた。

あれから20年、ペインターパンツはのいまは、果たして・・・。

ペインターパンツとは


シルエットは太く、ポケットは大きい。
頑丈なライトオンスデニムが使われていて、とにかく動きやすい。
3本針のステッチング、要所にはバータック補強、バックポケットには当て布付き。
耐久性を重視したディテールの数々だ。


金槌用のハンマーループと、ドライバーやプライヤーがすっぽり収まるスケールポケット。
道具を収め、快適に身動き出来るペインターパンツは、働く男たちの相棒だ。

しゃがみこんだり、膝を着くことが多い人のために、生地が二重になったダブルニー仕様もある。
デニムだけではなく、ヒッコリーやキャンバスダックなどの異素材もある。

ワークウェア大国アメリカでは、数々のブランドがペインターパンツやその亜種を製造していた。各社、様々な意匠を持つ入魂のワークパンツを市場に投入し、覇権を争っていた。

OshKosh B’Gosh

さて、OshKosh B’Goshである。
創業は19世紀末と、歴史のあるワークウェアブランドである。
グローブ製造会社として産声を上げ、間もなく衣料分野にも進出した。

20世紀、無数にあったワークウェアブランドは、合併や買収などを経て、時代の流れと共に集約されてゆく。OshKosh B’Goshも、近年、ライバル会社であったCARTER’Sに買収され傘下に加わった。
そして現在、OshKosh B’Gosh売り上げの大半は、ワークウェアではなく、子供用のウェアが占めているのだそうだ。


OshKosh B’Goshと言えば、クローバーがあしらわれたボタンのデザインが特徴的だ。
このボタンは首振りボタンが使われていることが多く、着脱の際のスムーズさと、生地のダメージを軽減してくれる機能的なボタンであると同時に、OshKosh B’Goshのシンボルマークになっている。
グリーンカラーのイメージを使ったバータックの処理も、ブランドのアイデンティティを演出している。

余談だが、ブランド名の由来。
オシュ、コシュ、ビゴッシュ、と韻を踏む言葉の響きが良かったから名付けられたという話がある。
洗濯しても破けません。という意味がブランドネームに込められていたのだという話もある。
創業地の地名オシュコシュをそのまま使ったという説もあるのだそうだ。

ペインターパンツのいま

機能的で、アメリカンテイスト抜群のペインターパンツだが、悲しいかな人気はそれほどない。
裏を返せば市場価格は低いために、ビンテージでも比較的に手が届きやすいプライスなのだ。

ペインターパンツの長所をいくつか書いてみよう。
ワイドシルエットで生地が薄いために、夏場に着用するにはぴったりのパンツである。
ヒッコリーストライプを選べば、マリンテイストを演出してくれる。
ポケットが大きく収納性にも優れている点も、夏にはうってつけである。

着用すると問答無用でワークテイストに染まるけれど、近年ではよりカジュアルに着用可能なタウンユース向けのデザインも増えてきている。
ワークスタイルを貫くのもいいし、アーバンスタイルにアレンジしてみるのもおもしろい。流行に背を向けて、独自の”俺流”の道をゆくのがペインターパンツの醍醐味であり真骨頂なのである。

OshKosh B’Gosh ペインターパンツ USA製 古着屋で1,500円 ―2018-06-07―

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