VINTAGE HAT

古い帽子には手の込んだものが多く、すこぶる品質の良いものもめずらしくない。
50年以上前に作られた帽子だとしても、買ったその日から手入れもせずそのまま着用出来るほどだ。

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出典:ebayより Vintage Stetson

1900年代初頭

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出典:www.cinematoday.jp 映画ボルサリーノ
Paramount Pictures/Photofest/ゲッティ イメージズ

帽子はステータスの高いアイテムだった。紳士にとって帽子は必需品だったからだ。

だからこそ、古い帽子は優雅でありながら質実剛健な作りをしていた。

古い帽子は贅沢な作りをしており、VINTAGE HATを収集する愛好家や、クラシックファッションとして根強い人気を誇っている。

2000年代

残念ながら、帽子のステータスは年々下降してゆき、帽子文化はカジュアルなものになりつつある。
ステッキや中折れ帽が紳士の身嗜みだった時代は、もはや過去の歴史になってしまっている。

出典:https://gqjapan.jp
ウィンストン・チャーチル Photo: Rex Features / AFLO

著名なイタリアの帽子ブランド『ボルサリーノ』の倒産危機も記憶に新しい(高級紳士帽の代名詞。2018年投資会社が子会社化することにより危機は脱した。「ボルサリーノをイキにきめ♪」 と真島昌利さんが歌にするぐらい、知れ渡っているブランドなのだ)。

borsalinoロゴ画像

件の話は、高級紳士帽の需要が世界的に先細っていることを感じさせるニュースだった。
そんな逆境・逆風の中、VINTAGE HATに負けない、クラシックな装いの帽子を見つけた。

コッポラ帽

ブランドの名前を『La Coppola Storata』という。
紳士帽黄金時代の雰囲気を今に残している帽子専業ブランドだ。
La Coppola Storataは、主にコッポラ帽を製造している。

La Coppola Storata画像
La Coppola Storataコッポラ帽(キャスケットタイプ)

CINEMAの中の帽子

デ・ニーロ画像
出典:ゴッドファーザーPartⅡより
ロバート・デ・ニーロ扮する若き日のヴィトー・コルレオーネ
デ・ニーロ画像
移民街のボスと対決する前の一コマ
コッポラ帽はイタリア・シチリアで生まれて、庶民に愛されてきた帽子だ。
古いイタリア映画を観ると、必ずコッポラ帽が登場する。

コッポラ帽は、現在では『キャスケット』や『ハンチング』として知られている。
原形にあるのは、イタリアで作業用にかぶられていたコッポラ帽なのだそうだ。

コッポラ帽は移民たちと共に海を渡り、やがてハンチングやキャスケットと呼ばれるようになり広がっていった。その過程で簡素化され、現在のスタイルに定着していった。

ちなみにだが、日本では同帽子のことを『鳥打帽』と呼んでいたらしい。

ゴッドファーザーPARTⅡでは、コッポラ帽が小道具として使われている。
まだ駆け出しのヴィトーの頭には、庶民の帽子がしっかりと乗せられている。
帽子は階級を現すシンボリックな持ち物でもあったのだ。

La Coppola Storata

la coppola storata帽子画像
La Coppola Storataは、古いスタイルのコッポラ帽を現代に甦らせた。
La Coppola Storataが創業されたのは1999年と、そんなに古い時代ではない。
風格を感じさせるのは、一点ずつ手仕事で作られる、シチリア・メイドだからだ。コッポラ帽発祥の地シチリアで、古い製法を守りながら、丁寧に作られている。

Tindara Agnello

デザイナーはTindara Agnelloさんという若い女性だ。

ミラノでファッションを学び、モデル経験もある彼女が、故郷シチリアで伝統のコッポラ帽をリ・デザインする。

若い感性と熟練の技が組み合わさった帽子は、どこか懐かしく、クラシックでありながら、チャーミングだ。

新しいスタンダード

ボルサリーノが紳士帽の代名詞ならば、La Coppola Storataは庶民の帽子コッポラ帽の新しいスタンダードとなるブランドである。歴史はまだまだ浅いが、その実力は本物。伝統ある帽子ブランドへ育つ可能性は十分に秘めている。

La Coppola Storataのコッポラ帽を頭に乗せてみると、ふんわり頭にフィットする。手仕事で作られた温もりと、クラシックな装いが、なんとも心地いい。

La Coppola Storata コッポラ帽 購入価格15,000円 イタリア・シチリア製
―2018-09-14―

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